入りたい第一志望の会社なのに書類選考で落ちてしまった…
メールや書面で不採用通知を受け取ると喪失感が半端なく襲いかかってきます。
これから転職活動に挑む人に知っておいてほしいのは、準備不足で書類選考に臨むとせっかくのチャンスを無駄にしてしまうことになりかねないということです。
もちろん、みなさんもそんなことにならないように書類選考対策をすると思いますが、どうやって職務経歴書を書いたらいいか分からない人も多いのではないでしょうか。
そこで、職務経歴書の書き方にフォーカスして、各項目ごとに書き方の解説をしました。
キャリアの棚卸しをしよう
みなさんはいきなり職務経歴書を書こうとしていませんでしょうか?
その前にしなければならないことがキャリアの棚卸し(自己分析)です。
職務経歴書のテンプレートを見ながら、自分の経験に置き換えて書くという方法もありますが、頭の中を整理していない段階で書こうとしても良いものはできません。
キャリアの棚卸しをして情報を取捨選択できる状態にしておきましょう。
そこで肝心のキャリアの棚卸しの方法ですが、職務経験を時系列に書き出す事から始めます。
例えば、社名とどんな仕事(プロジェクト)を経験してきたかを簡単でいいので全部書き出します。
2007年~2010年 A社 ○○職
・△△プロジェクト
・○×プロジェクト
2010年~2012年 B社 ○○職
・×△プロジェクト
・△○プロジェクト
こんな感じで書き出します。
そして、一つのプロジェクトの中で、プロジェクトの概要、身に付けたスキル・知識、成果をさらに書き出していきます。
ポイントは、具体的な数値とプロセスです。
あいまいな内容は評価されませんし、成果だけを聞かされても説得力がありません。
頑張ったことや苦労したことを思い浮かべながら書き出しましょう。
また、周りとの関わり方についても意識すると良いでしょう。
採用担当者は求職者がどんな人なのかを気にしているので、人柄が表れているエピソードがあればそれも盛り込みましょう。
キャリアの棚卸しは概ねこのような感じで行います。
業界・企業分析をしよう
キャリアの棚卸しでは、自分のことについてでしたが、それだけでは足りません。
自分のアピールできる材料は揃っていても、それが相手の求めるものでなくては意味がないのです。
その情報を収集するために業界・企業分析が必要になります。
ただし、ネックになるのが、どうやって情報を集めるかです。
新卒の時はセミナーやOB訪問があったので直に情報を得る機会が多かったのですが、中途の場合、そのような機会はほとんどありません。
そこで、インターネットを使って情報を収集します。ネット社会の今は、企業や個人がWebサイト、ブログの他、フェイスブック、ツイッターなどのSNSを用いて情報発信をしています。
例えば、「エンジニア ブログ」「○○社 ブログ」「マーケティング コラム」など自分が気になるキーワードで検索してみましょう。
ヤフー知恵袋や教えてgoo、キャリコネなどを利用してみるのもありです。
意外に、社長ブログで「こういう事業を今後していきたいので、今こういう人が欲しい」とかを書いていたりするものなので、そういった情報をチェックしましょう。
今後その会社で取り組みたい事業の経験があることを職務経歴書に盛り込めば、アピール度の高い職務経歴書を作成することができます。
職務経歴書の構成を考える
職務経歴書を作成する時に、しっかりと考えておかなければいけないのが内容の構成です。
転職が初めての人や、転職経験があるけどいまいち書類選考の通過率が悪い人は職務経歴書が差別化できていない可能性が高いです。
テンプレートを使って職務経歴書を作成することは間違いではありませんが、書類選考でお祈りメールが来る人の多くはテンプレートと似たり寄ったりの内容で、オリジナリティに欠けています。
そこで、書類選考に通過するためのオリジナリティある構成を考えたいと思います。
なお、全ての職種でこの構成が適切であるという保証はありません。(営業・マーケティング系を例にして説明します)
職務経歴書に盛り込むべき項目とは?
職務経歴書作成の流れでは、項目ごとの書き方を紹介していますが、全ての項目を職務経歴書に書く必要はありません。
何でもかんでも書いてしまうのは多くの応募者の中に埋もれてしまいます。
理想的なのは応募する企業にとって必要なことが書かれている職務経歴書です。
その構成とは、
- 職務要約もしくは職務経歴書の要約
- 直近で勤めていた会社の概要
- 仕事・活動内容(箇条書き)
- 対象顧客(箇条書き)
- 顧客数(箇条書き)
- 成果・実績(箇条書き)
- 直近以前に勤めていた会社の概要(転職経験がある場合)
- 仕事・活動内容(箇条書き)
- 対象顧客(箇条書き)
- 顧客数(箇条書き)
- 成果・実績(箇条書き)
- 今まで勤めた会社での成果(営業であれば成績、事務系であれば成し遂げたこと・改善したことなど)
になります。
最後の成果・実績の部分を各会社の職務内容に含めて書いて、最後に自己PRもしくは得意分野・スキル、志望動機などを書く形でも構いませんが、成果・実績を最後にした方が全体的にすっきりして差別化になります。
また、職務経歴書の冒頭に職務要約を書きますが、できれば、職務経歴書の要約の方が採用担当者の目に留まるでしょう。
職務要約の書き方
職務経歴書の中で一番最初に記載するのが職務(職歴)要約です。
要約という名の通り、内容は簡潔にまとめないといけません。
書類を審査する側にとっては応募がたくさんある場合に、いちいち職務経歴書の隅から隅まで読み込む時間はありません。
以上の理由から内容は簡潔であることが求められるわけです。
では実際にどういった形で職務要約を書けばよいのでしょうか?
以下に箇条書きで必要な項目を挙げてみました。
②新卒で入社した会社名
③新卒で入社した会社での職種
④担当業務で成し遂げた成果
転職している場合は①~④に加えて、
⑥転職した会社での職種
⑦担当業務で成し遂げた成果
以上の内容を200字から多くても300字以内でまとめます。
※注意
以下は管理人が実際に使用したものをカスタマイズして掲載しています。従って既に使われたものをそのまま使用しても書類選考通過の保証はできませんし、著作権がありますので、その点ご注意ください。みなさんの経験されている仕事に合わせて書き直してご使用ください。
職務要約の参考例
もう少し職種の説明や仕事内容の部分を肉付けしても良いとは思いますが、このような感じで職務(職歴)要約を書くと書類を審査する側も忙しい中で少し読み進めてみようという感じになると思います。
また、出身校を書くのは書類を審査する人が同じ出身校の場合もあり、それだけで面接に呼んでみようかということになる可能性があるので、書いておきましょう。高学歴でないとダメということではありません。
ちなみに、この職務要約は今までの経歴を要約したパターンになります。
できれば、経歴の要約ではなく職務経歴書そのものの要約になるパターンの方が採用担当者の目に留まりやすいです。
職務経歴書は応募する企業に向けて書くので、当然冒頭もそれに合わせた内容を書きます。
ポイントとしては業界経験・知識・スキルがあると思わせることです。
- 応募先の職種の経験が何年あるのか
- 業界の中でもどの分野の知識・スキルがあるのか
- 成果(アピールできるものがあれば書く)
を200~300字の文章にしてまとめると、インパクトがあります。
職務内容の書き方
職務内容の書き方は直近の仕事から書く編年体式、キャリアごとに書くキャリア式、プロジェクトごとに書くプロジェクト式がありますが、まずは何れの場合も必要となる会社概要の書き方から述べたいと思います。
※会社概要の参考例(広告代理店の場合)
□株式会社○△× 20××年4月~20××年3月
◆事業内容:広告代理業務、広告デザイン業務など
◆従業員数:××名
会社名の横に在籍していた期間を書きます。後は売上高や資本金などが分かれば書いておきましょう。
では、ここから具体的な職務内容の書き方に移りましょう。
大まかな構成を確認しておくと、だいたい以下のような感じです。
②新卒で入社した会社での職務内容、実績・成果
転職していれば、
④転職した会社での職務内容、実績・成果
以上の内容をA4の紙1枚から2枚程度にまとめます。
逆編年体式の場合
最新の職務内容から書いていく形式です。
会社概要の下にどのくらいの期間、どんな仕事をしたのかを次に挙げるポイントを元に事細かに書いていきます。
- 仕事・活動内容
- 対象顧客
- 顧客数
- 成果(営業であれば成績、事務系であれば成し遂げたこと・改善したことなど)
これらのポイントを書くと職務内容は箇条書きだけになってしまうので、200字弱で仕事内容と成果をまとめて、読み手にも分かりやすく書くことが大事です。
例えば、携わった仕事でどんな点を改善したのか、もしくはどんな困難を克服したのかを含めながら文章にします。
既に転職歴がある場合は、直近の会社の概要と職務内容を書き、次に以前勤めていた会社の概要と職務内容を書きます。
キャリア式(プロジェクト式)の場合
仕事内容(職種)やプロジェクトごとに職務内容をまとめる形式です。
志望する職種・仕事の経験をアピールしたい場合に、今まで勤めた複数の会社で同じ仕事をしていれば一つの経験としてまとめてしまい、他の仕事内容は小さく書くか、省略します。
冒頭には「A社のマーケティングで2年間、B社のマーケティングで3年間」と記入しておきます。
プロジェクト式は文字通りプロジェクトごとにまとめていきます。プロジェクトの冒頭にはプロジェクトに携わった期間を書いておきましょう。
なお、職務内容の書き方のポイントは逆編年体式と変わりません。
また、最後に文章でまとめる成果については、別項目として独立させて成果・実績でまとめる形の方がすっきりして見やすいです。
この書き方をする場合には、各会社ごとに書く成果は箇条書きに留めましょう。
得意分野・スキルの書き方
得意分野・スキルですが、これを自己PRとしてもよいですし、別途、自己PR作成をしてもよいです。
書く量ですが、3項目ほどに分けて書き、1項目あたり150字~200字程度でまとめます。
■参考例
新卒入社した会社では、インターネット広告の運用管理に従事。合計20クライアントに携わり、アクセス数の大幅な改善やアクセス解析を併用して資料請求数の費用対効果を改善させるレベルにまで、スキルを磨きました。その経験をもとに前職ではコンサルティング担当にステップアップし広告運用知識を活かした業務提案で費用対効果の改善はもちろん自社の売り上げ増に寄与しました。(177字)
インターネット広告運用管理業務での顧客対応において、新卒入社した会社では入社当初は前任の顧客対応がきちんとなされていなかったためクレームに近い問い合わせが多かったものの、半年間かけて解決していきました。顧客対応にあたっての基本姿勢として、傾聴・小さなYES を積み重ねる、といったことを意識しておりました。(153字)
新卒入社した会社ではインターネット広告の運用管理業務と営業事務の業務を同時進行で取り組んでいました。営業事務の業務で定型化できる作業は定型化して、業務の重要度合いに応じて運用管理業務と入れ替えるなど都度対応していました。(110字)
※注意
これは管理人が実際に使用したものをカスタマイズして掲載しています。
従って既に使われたものをそのまま使用しても書類選考通過の保証はできませんし、著作権がありますので、その点ご注意ください。
みなさんの経験されている仕事に合わせて書き直してご使用ください。
自己PRの書き方
自己PRは職務経歴書の中でも多くの人が書き方に悩む項目の一つです。
特にアピールできるようなことはないと思うかもしれませんが、どんなに今までの経験が凄かったとしても、企業が求めるものでなければ意味がありません。
なので、凄い経験かどうかは気にする必要はありません。企業があなたを採用して、自社にどのような利益をもたらしてくれるのかを書きましょう。
そのために自己PRの構成をどのようにするかですが、
- 主張
- 主張したことを裏付ける根拠
- 根拠の信用性をあげるための実績や体験談などの具体例
- まとめの言葉
という構成にすると分かりやすいでしょう。
「主張」とは
「~○○ができます」「~指導力があります」といったような定番のことで構いません。
ここでどんなに凄いことを言ったとしても、根拠がなかったら説得力はゼロです。
自分がどういう人間かという特徴を知ってもらう部分になります。
主張したことを裏付ける根拠とは
例えば「指導力があります」と主張した場合に、「△□プロジェクトのリーダーとして10人の部下をまとめました」と書かないとといけません。
ただ、これだけではまだ信用が足りません。
根拠の信用性をあげるための実績や体験談などの具体例
根拠だけではまだ信用度が低いので、もう少し踏み込んだ内容を書きましょう。
例えば、「10人の部下をまとめました」と書いたなら、部下をどうやってまとめたのかを書けばよいのです。
「ミーティングの回数を増やして、クライアント企業が売り上げを上げるために何が必要かを自由に話し合った」
「話し合っただけでなく、一緒に計画の立案もした」
といったような感じです。
まとめの言葉とは
根拠だけでは締まりがないので、締めの言葉として、「私を採用すると御社にこういう利益がもたらされる」ということをアピールします。
一般的にどこの会社でも当てはまりそうな内容ではなくて、志望する企業だけの内容にします。
「私は今までに△□プロジェクトなど複数のプロジェクトに取り組み成功させてきました。この経験は御社がこれから取り組もうとしているプロジェクトを推進する上で必要とされます。部下の育成も含め、限られた期間の中で○×という成果を出して御社に貢献します」
内容はともかくとしてこのような感じにまとめます。
自己PRの書き方まとめ
以上、構成ごとに解説をしましたが、数字で成果をアピールしやすい職種があれば、アピールしにくい職種もあります。
営業系はもちろん数字を用いて具体的にアピールしましょう。
数字でアピールしにくい事務やバックオフィス系は状態の向上や状況を好転させた事柄をアピールしましょう。
ちなみに、上記の自己PRの構成の中で出している例はどちらかと言うと、後者の事務やバックオフィス系向けの内容になっています。
営業系であれば、他と比較してどれだけの成果を出したのか、その成果を出せた要点は何かを文章の中に加えましょう。
使用可能ツール・資格の書き方
使用可能ツール・資格の書き方ですが、簡単に言ってしまうとパソコンがどれくらいできるか、今までの仕事で取得した資格でアピールできそうな資格があるかを書けばOKです。
パソコンだと、Excel、Word、PowerPointをどういった場面でどれくらいの頻度で使っているかを書きましょう。
資格は、過去に携わっていた仕事で、その業界で認知度の高い資格を持っていればある一定の努力、実力があると思ってもらえる可能性が高いです。
例えば、インターネット広告であれば、ヤフーやグーグルのリスティング広告の資格があれば書いておきましょう。
ただし、資格だけをアピールしても意味はありません。自己PRや志望動機など他の項目もバランスよくアピールする必要があります。
志望動機の書き方
自己PRや志望理由、退職理由と並んで書き方に困るのが、志望動機です。
志望度の高い企業であっても、低い企業であっても、いざ志望動機を書こうとするとなかなか書けないものです。
実は書類選考では、志望動機が書かれていなくても通過します。
志望動機がうまく書けなくて応募に踏み切れないでいるなら、あえて書かずに応募するのも一つの方法です。
ただし、ここで気をつけたいことが2つあります。
- 競争率の高い企業ほど志望動機を重視していること
- 志望動機を書かずに書類選考を通過しても、面接に進んだ段階でかなりの確率で聞かれるということ
です。
面接で何らかの形で志望意欲を問う質問がされるのであれば、応募書類に書かないにしろ、あらかじめ志望動機は考えておきたいものです。
肝心の、志望動機をどうやって書くかですが、おすすめの構成は
- A社で働きたいという主張
- なぜA社で働きたいと思ったのかという根拠
- 根拠をさらに強めるためのエピソードや実績・スキルなどの具体例
- 将来こういう風になりたい(こういう仕事をしていきたい)
です。
「A社で働きたいという主張」とは
自分の志や望んでいることを書きます。例えば、「顧客と接する仕事がしたいと思い志望した」などです。
職場環境や社風に惹かれたなどのような書き方は、当たり前のことなのでおすすめしません。
なぜA社で働きたいと思ったのかという根拠
「顧客と接する仕事がしたいと思い志望した」であれば、なぜその仕事がしたいのかを具体的にしましょう。
簡単に言うと、「今の仕事は仕事内容が限定されていて顧客と接する仕事ができないから」になります。
根拠をさらに強めるためのエピソードや実績・スキルなどの具体例
なぜ仕事内容が限定されているのか、その状況を変えることはできないのか、あるいは変えようと行動したのかなど具体的なエピソードを交えながら書きます。
誰でも○○したいという主張はできますが、根拠と根拠の信頼性を増す具体例がないと採用担当者は不安を感じ採用を躊躇してしまいますので、注意しましょう。
将来こういう風になりたい(こういう仕事をしていきたい)
将来こういう風な人間になりたいとか、こういう仕事をしていきたいという内容でまとめます。
例えば、「顧客と接する仕事をしていく中で、顧客の要望を反映したソフトウェアを開発したい」といったところでしょうか。
志望動機を作る際に必要な材料とは
志望動機の構成を見てもらうと分かりますが、自分のことと会社のことを知らないといけません。
つまり、職務経験の棚卸しと企業分析が必要になります。
転職理由の書き方
職務経歴書の中でウェイトが大きいのは自己PRです。
ですので、転職理由は職務経歴書や履歴書であえて書く必要はありません。
でもどうしても書面で書かないといけない場合や、面接では聞かれる可能性が高いので、まとめておくに越したことはありません。
転職理由をまとめる場合、どのくらいの文章量にすればよいのか気になるところですが、約150字、多くても200字程でよいでしょう。
あまり長々と書くと、言い訳をしているんじゃないかと思われてしまうので、簡潔にまとめましょう。
転職理由を書く時のポイントですが、
- 本当のことを書かない
- どこの会社に転職しても起こりそうなことを書かない
- 否定的な理由を肯定的な理由に転換して書く
の3つになります。
安月給、いじめ、各種ハラスメント、将来性を感じないなど本当のことや転職しても起こりそうなことを理由として挙げるのはやめましょう。
そういったことよりも、
- 消費者の反響を直に感じれる仕事をしたい
- 自分よりも優秀な人・経験のある人が多くいる職場で切磋琢磨していきたい
といったような前向きな理由を書くようにしましょう。
また面接では、そこからさらに突っ込まれて聞かれる可能性が高いので、答えられるようにしておきましょう。
どうしても、転職理由がうまくまとまらないという人は、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。
専任アドバイザーが転職理由も含めて職務経歴書の書き方全般を丁寧に指導してくれます。